Research the Truth リサーチ・ザ・トゥルース 3話 愚者の妄想(小野哲)  1  東京・品川駅前の大型ビル…。  工場跡地にたったそのビルは、別名ドルセンマーケットビルといわれ、日本中の流通業を飲み込む勢いで買収攻勢を掛けていたドルセンマーケットグループの本部だ。あのリブゲートの通販部門を買収してからこの企業は日の出の勢いである。  その社長室に男がいた。  「社長、富山のシーガルストアの買収の調印が完了しました」  「よし、しっかりすすめろ」  男の名前は高田源太といい、過去何をしていたのか素性は分からない。この3年間で立ち上げたドルセンマーケットというネット通販部門を拡大していた他、経営不振に陥っている小売業や金融業を買収していた。  「富山地域には産業が少ない、よって無規制だからこっちのやりたい放題だ」  「さすが社長ですな」  高田にごまをするのはあの三輪防人だった。三輪は高田のドルセンマーケット立ち上げ時にユダヤ教の人脈を紹介したほか、休眠会社の乗っ取りにも協力するなどして様々な暗躍で協力していた。  「三輪、これからお前達の言うオーブ乗っ取りにしっかり協力させてもらうぞ」  「加古市に石川ウルベを通じて無規制空間を立ち上げ、そこでドルセンマーケットにがっちり稼いでもらう。しかも利益はしっかり独占出来るから儲かりますな」  「そうしてオーブに『改革』を迫る。フフフ…」  この高田、富山にある地場証券や職域信用組合を買収してドルセンマーケット金融グループとして立ち上げており、そこがドルセンマーケットグループの小売業とリンクして稼いでいた。だが、人々は高田が過去犯した大きな罪を誰も知らなかった…。  「デトロイト西松会計事務所からの改善要請は直ちに手を打ったか」  「打ちました。冷酷に金儲けをするのが我々ですからな」  「チームノエルのメンバーがそのままヨナに移るとは思わなかったな」  川越のカフェでは…。  剣星とヨナを取り囲み、月岡ノエルと越乃彩花が話している。二人は現役を引退し、指導者になることが決まった。  「これで剣星君も頑張らなくちゃダメよ」  「そういわれると思っていたで」  苦笑いする剣星。剣星率いる川越神田川記念オーケストラは着実に成長を遂げており、剣星自身も関東連合にとどまらないスケールの大きな演奏が評価され、今度ドイツのベルリンで開催される世界オーケストラコンテストの日本代表に選ばれたのだ。その指揮は精密機械そのものだがダイナミックさと繊細さを兼ね備えている。このオーケストラ、コンサートマスターは絶えず選抜制であり競争原理を取り入れる反面で音楽の基本に関しては決して外さない厳しさを持つ。  「今度はヨナが金メダルを取る番だ。俺達が一丸になって守ることを約束する」  「バッシングに負けていてはダメですわよ」  こくんと強い瞳で剣星達に頷くヨナ。彼女は旭川五輪で金メダルを逃したことが一部メディアにバッシングされ、苦しんだが剣星達が守り抜いたこともあって心の安定を取り戻した。  「みんながいて、助かった…」  「そうだろ、俺達はヨナが全力を出して闘ったことを知っている。一樹さんもヴァルハラで笑っているはずだ」  片岡一樹は旭川五輪の会場で壮絶な最期を遂げた。剣星達はその崇高な生き様を受け継ぎ、人々の為に闘うことを誓った。そして、その彼らの意志を受け、高野広志は正式に大統領就任を受諾したのだった。  「あの人の政策調整は忙しくて、毎晩深夜まで政策会議だそうだ」  「シュナイゼル大統領の後継者だから、大変ね」  「よっ!」  そこへ声を掛けて入ってきた男。その顔立ちは端正で、誰もが憧れる。  「俺をサンプルにして以来の悪友ですね」  「ハハハ…。相変わらずモテモテらしいな、剣星」  九十九 龍介は科学捜査官にして脳科学者だ。元々はホストだったのだが交通事故がきっかけで右脳が急激に発達し、脳科学の研究に取り組んでいたことがきっかけで安西晋三にスカウトされて科学捜査官になった経緯があった。脳の栄養補給の為としてバナナをいつも食べており、マイペースな性格でもある。  「俺は相変わらず突っ込まれてまっせ」  「しかし、おかしいと思ったことにはとことん闘うって点では俺とあんたはそっくりだね」  「それ、言えてますね。剣星なんかブルドックみたいに執念が凄いんですから…」  「そうじゃないと、あのハヤタ自動車は変えられなかったでしょ」  由里 和音(龍介の助手)が素早く切り返す。茶目っ気な龍介に振り回されることもあるが、鋭い判断力を備えている。  「いよいよ10日後だな、松坂家の主宰として正式に名乗るのは…」  「今後もよろしくお願いします。祖父と比べても、不束者ですが…」  「そうは思わない。安西さんもあんたを高く評価しているぞ」  その2日後…。  「高野先生、お手伝いに来ました」  「おう、よく来てくれたな」  剣星に広志は優しい笑みを浮かべる。そこに穏やかな表情の男が現れる。  「彼は誰ですか、高野さん」  「仲田剣星、あの松坂征四郎の正統なる後継者ですよ」  「私は宮沢静虎ですよ。普段は東西興洋銀行の新宿支店で支店長をつとめていますが今日は有給で応援に入っています」  「仲田です。初めてお目にかかります」  「気に入りましたよ、ここまで礼儀正しいとは。たしかあなたは川越神田川記念オーケストラの指揮者でしたね」  「恥ずかしながら」  剣星は頭を掻きながら言う。オーケストラは毎日夜6時から9時の練習漬けだ。練習場のある川越倉庫は車の駐車スペースで不便なので立体駐車場を建設しているのだ。  「そういえば、君の母校が関東大学の付属高校になったな」  「はい、神田川記念高校は関東大学付属川越高校になりました。まさかじいちゃんの名前を使ったホールが学校敷地にできて、ブロンズ像までできるなんて恥ずかしい限りです」  「それは仕方があるまい。有名税みたいなものだ。松坂征四郎記念ホールは君のオーケストラのホームスタジアムみたいなものだろう」  広志は苦笑いしながら言う。あのクラーク・ケントもアメリカ大統領を退任したあと故郷のスモールビルに妻のロイス、長男のアレックス、長女のライラと戻って副大統領として支えた盟友、レックス・ルーサーの志を引き継ぎ慈善財団「レックス・ルーサー記念財団」の理事長に就任した。  「俺はじいちゃんの名前を使われて戸惑っています。それでいいのかと思って…」  「君は消極的だったからな」  「じいちゃんの名前で売れるほど高校も甘くはないです」    2  「そうか…。彼女の回復は進んでおるんか」  ヴァルハラ福島中央病院では…。  院長の伊野治が厳しい表情で指示を飛ばす。彼は福島県内を巡回して難病に的確な治療方針を示すなどしていた。人々は彼を「神様先生」と慕っていた。二代目グレートファイブが三代目の育成を行なっていることから自身は第一線から引退し、地方で多くの後進の育成にあたっていた。  今、伊野が治療に当たっていたのは15年前に柔道部の練習で軽い植物状態に陥っていた女性の治療で、伊野の治療方針は体内に埋め込んだ電極から脳に直接刺激を与えて脳細胞を活性化させるものだった。そのおかげで彼女は指揮を取り戻し会話ができるようになっていた。  「院長、彼女の治療方針はどうしますか」  「リハビリやけど、15年間も意識がなかったんや。筋肉が衰えているはずやから、時間をかけるんや」  「分かりました」  「しかし、酷い話ですね」  「相手は5年前に慰謝料を一括払いしてそれきりや。高崎晴彦という男やが、腹立たしいで」  そこへ病室から車いすで出てきた女性とその母親。  「おはよ、元気やな」  「伊野先生、おはようございます」  彼女の名前は小谷香織といい、意識を取り戻した今では通信制の高校に通っていた。彼女は奇跡の人と騒がれており、彼女の口述で書かれた本はヒット作品になった。  「最近、ブルーコスモスが香織さんを選挙の候補者に据えようとしているようだけど、どうなの?」  「無理ですよ、こんな車いすでは…」  「それはないと思う。だが、あの急進派がなぜ君を…」  「宣伝塔代わりにしたいんでしょう。私は嫌です」  「こまったものだ…」  浦木晃は渋い表情である。  「どうしたのだ、我が盟友よ」  「アナベル、ドルセンマーケットの被害者だ。闇金融から債権を買い取ったからと高利での回収を奴らがやらかしているようだ」  「またか…。そもそも、闇金融の金利そのものが無効なんだ。東北地方でも被害は多発しているな。それで貧困問題が発生していて、我が息子が嘆いている」  「しかも、ほとんど押し貸しだぞ。これはひどいじゃないか」  アナベル・ガドーは晃とコンビを組み、革進党下院議員として活躍していた。晃の妻であるニナ・パープルトンを介して二人は知り合い、チェスで親交を深めていた。政策や理念はやや異なるが、公平さでは同じ理念を持っていた為二人は共通政策を提案するなどして革進党の躍進につなげていた。  「そうそう、この前高野広志が正式に次期大統領就任要請を受けると表明したな」  「噂によると、あのハヤタ自動車事件の関係者の想いを引き継いだことが大きいようだ。もっとも、こちらには…」  「どうかされましたかしら?」  そこへ特徴のある眉毛と金髪の美女が入ってくる。  「ドロシー代表!」  「あら、私はあくまでも名前だけのお飾りですわよ」  ドロシー・カタロニアがなぜここにいるのか。あの広東騒動の後、彼女は本人曰く気まぐれでアイヌモシリ共和国の小さな財政再建団体の市に支援を行い見事再建させた。その腕を評価され、アイヌモシリ共和国から国籍を与えられ、下院議員に選ばれたのだった。ソレスタル・ビーイングから引退を表明したが、今でも情報提供などの協力はしている。  「あのドルセンマーケットのことですよ」  「革新党の高野広志も相当困っていらっしゃいましたわね」  「闇金融から債権を買い取ってそのまま債務者から強引に取り立てる、しかも手法が悪質です」  「しかも、その金がどうもオーブの小さな政治団体に流れている噂、ご存じかしら」  ドロシーがその事を知っているのは、夫のカトルの持つシンクタンクの情報力故だった。ドロシーも政策に精通しているのはそのシンクタンクの存在故だった。  「そうなると始末に負えなくなるな…」  そして高田は…。  「母さん…。復讐は確実だよ…」  母と子供の写真だが、子供の顔写真はなぜか黒く塗りつぶされている。その写真に高田はつぶやく…。 ----怨み屋を野放しにしているこの国に、俺は復讐してやる…!!  高崎未奈子というネームプレートがその写真にあるように看護師の衣装を彼女はまとっている。そして、高田は目を固く閉じた。そして、新たな手を打つべく動き始めた。さっそく専門の部屋に電話を入れる。  「おい、ドルセンマーケットのクレジット部門の回収はどうだ」  「確実です、今月の回収ノルマは8割達成しました」  「弱者だろうがどうだろうが粛々と回収しろ。奴らに生命保険を掛けさせろ」  「はい、自殺した奴らから確実に回収済みです」  「自殺しようがどうだろうが容赦なく遺族からも回収しろ、中西を呼べ」  高田の指示は冷酷そのものだ。そして入ってきたのは中年の男である。  「中西、元妻の債権回収は見事だったな」  「容赦しません。娘が泣こうがどうだろうが、私には興味がありません。私の興味は月の報酬1000万円だけです」  「やはり、金が第一だな」  「その通りです。女は金についてきますからな」  中西伸二は冷酷に言い放つ。ドルセンマーケットのクレジット部門は彼が運営しており、営業は主にホストクラブやキャバレー中心である。その成果の高さから高田は自らの手足にしていた。  「麻雀への営業はしないのか」  「奴らは安定しませんよ、大体トラックの運転手とかです、返済の当てのないパチンコに融資するに等しい結果ですよ」  「手堅いな、中西」  「ですが、最近ではサラ金に日本共同銀行が買収攻勢を掛けていて、日本国内四社の一つになっていますよ」  「ドルセンマーケットは時間がない。すでに海外の銀行を買収して合弁で日本に銀行を立ち上げるよう動くぞ」  東西興洋銀行、あおい銀行と三洋銀行が合併してできたあけぼの銀行、大英信託日本銀行の大手三社に最近では日本中の共同銀行を経営統合してできている日本共同銀行が躍進しており、ドルセンマーケットは第五の勢力を目指していたのだった。  そのためにはサラ金への買収攻撃も怠らなかった。そのおかげもありサラ金最大手を自分たちのものにした。そしてその大手と、ドルセンマーケットクレジットを事実上統合させる。荒っぽい回収もいよいよ最後だ。  「中西、次は買収部門で大暴れしてもらうぞ。クレジット部門は買収先に任せよう」  「もちろん、私はいつでも大暴れしますよ」  3  「ドルセンマーケットの強引な融資で中小企業の経営者が自殺に追いやられて、孤児が多くなっているだと」  広志の元に電話を掛けてきたのはジャギだった。  「あんたにこれは伝えなければならなくなった」  「お前の師匠であるリュウケンは生きておられたら嘆くだろう…」  「ああ…。ゼーラ議会も頭を痛めている始末だ。俺もこのままでは施設の収容能力にも限界がある」  「ううむ…。困った連中だな…。アンナ修道女も対応に手間取っているだろう」  「いずれも心に傷を抱えている。かつての俺と同じだ、このままでは俺は無力だ」  「分かった、カウンセラーの増員や運営費用の支援、部屋の増設要請などで然るべくシュナイゼル大統領にはお話ししよう。無論ケルト・ディン王朝にも支援は頼もう」  「すまぬ…」  広志は厳しい表情から一転して穏やかな口調になった。  「今度、仲田剣星が松坂家の主宰を継ぐことになり、松坂剣志郎光広と名乗ることになった。お前から何か出来ることはあるか」  「そうだな…。この面が出ても驚くだけだ、ならば今日、俺が養父から受け継いだマントを彼に贈ろう」  「そうか…。分かった、では霞先生には何と伝える」  「俺はゼーラで子供たちのために闘う、お前は自分の戦いを果たせと伝えてくれ」  「分かった、ボスにもよろしく伝えてくれ」  そういうと広志は電話を切る。ボスはアンナの実の兄でジャギのよき理解者でもあった。  「やれやれ…。金儲けの為には人権も無視するのか…」  剣星が松坂家当主に就任する前夜…。  「剣星、お前に会いたいという人がいる」  剣星は霞拳志郎からの電話を受けていた。  「誰なんですか?」  「公権力乱用監視査察機構の関係者で、美墨なぎさと雪城ほのかだ。君は朱雀ほのかで知っているはずだ」  「あの人ですか。知っています、確かゾーダという愛称を持つ新日本自動車の朱雀善太郎社長の奥さんですね」  「あの二人はお前の祖父とは生前交流があったそうだ。お前が当主となるためどうしても会いたいというので会ってくれないか」  「いいですよ。何人で来ますか」  「8人だ。うち4人は子供だ」  「分かりました、動きますよ」  ヨナは剣星の言葉にすぐに動き出す。松坂家の一角に家を構える秋山大治郎は電話を終えた剣星に言う。  「君は人に恵まれているようだな」  「実感しますね…。父も俺も、浅見父子共々仲間には恵まれていますよ」  「三月は買い物に行っている。メールでジュースを頼んでおこう」  「あとで代金は払います」  「それはいいさ。私も拳志郎さんから色々とお世話になっている」    その30分後…。  「入澤さん?」  「驚かせちゃったな。あまりなぎさと面識は君にはなかったようだな」  入澤サクヤはニコッと笑う。旭川五輪で外国人選手を中心とした護衛を務めており、そこで剣星と知り合ったのである。  「でも、随分いい感じの家だよね」  「税制上大変ですよ。保存する文化財にして指定することにしましたけど、べらぼうにカネがかかるんですよ」  「お金は困らないのに?」  「ありえなーい!!」  ほのかとウルフヘアの女性が突っ込む。彼女があの美墨なぎさ、今の入澤なぎさだ。サクヤとのあいだに郁也、ユウナと一男一女を得ており、今でもGINに勤務している。  「パパ、みどりは大丈夫だった?」  「ああ、間に合った。ここは古い割には結構雰囲気を壊さないようにして現代でも困らないようにしている。広太郎、コラうろちょろしない」  「大丈夫、敷地の構造は俺自身よく知っています」  そう言うと剣星は落ち着いた眼差しでゾーダ・ほのかの長男広太郎に穏やかな笑みを浮かべる。  「征四郎先生に挨拶をしに来たんだ。案件は分かっているね」  「わかっています。こちらへ」  剣星が静かに線香を手向け、松坂征四郎の遺影に無言で手を合わせる。  ヨナ、なぎさ、サクヤ、ほのか、ゾーダも続ける。そして、口火を開く剣星。  「じいちゃん…、高野先生の戦友たちが挨拶に来たんだ…。じいちゃんの跡目を継ぐと決めた際に支えると誓ってくれた人達だ…」  「遅くなってすみません!」  挨拶が終わった後、サクヤが土下座で遺影に詫びる。サクヤは征四郎が刺殺された際、単身赴任でイギリスのスコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)で研修を受けていた。そしてGINに復帰しても多忙の日々だった。  「ご主人、事情は伺っています。祖父はあなたと再会できて喜んでいますよ」  「しかし、若くしてここまで成熟した存在とは…。血縁の持つ力なのか…」  「俺はそれとは思いませんし、まだまだ成熟しているとは思いません。松坂家の後継者にはまだふさわしいとは思いません、あまりにも足りない箇所が多すぎますよ」  「その謙虚さが後継者にふさわしいのじゃないかしら」  その翌日…。  松坂邸にマイクロバスが入ってくる。すでに屋敷周辺にはSPが取り囲んでいる。  高野広志夫妻や四宮一族、真東一家を乗せたマイクロバスが駐車場に着く。そこから出てきたのはひょうひょうとした男だ。  「いやぁ、凄い贅沢だねぇ…」  「信じられないですね、蓮先生」  「何を言う、君なんか若い頃からセレブなのに」  口ひげを蓄えた広志は苦笑いする。  「高野先生、お久しぶりです」  「あなたは関東大学の今藤学長ですね。李の関係者なんですか」  「その通りですよ。霞くんからも頼まれては来ないわけには行きますまい」  金藤政夫(関東大学学長、神田川記念学院副理事長)は頭を掻いた。ちなみに神田川記念学院前理事長の北大路剛士の娘の綾が彼の妻であるのだが、拳志郎は『実力で副理事長になった辣腕の持ち主』と認めている。  「霞先生からあなたの話は聞いています。今度ユダヤ人をまた過疎農村に移民として招く計画を行おうとされているようですね」  「義父の手助けをしているに過ぎません。アフリカ人でも私はやりますけどね」  「でも、今回の主役は緊張していますな」  「そうですね。私は李選手の応援もしていますのでね」  「仲田先輩、どんな姿なんだろう…」  輝と綾乃の娘で高校時代に剣星の後輩の広乃はワクワクした表情でつぶやく。  すでに主役の剣星は別室で白衣に身をまとっているはずだ。その剣星は…。  「ついにこの日が来たな…」  白袴をまとった剣星。ヨナはベージュが主体のシックな洋服をまとっている。  「かっこいいよ、剣星…」  「いつもまとっていないから、何か慣れないけど…」  「似合うぞ、剣星。今は亡き松坂先生が乗り移ったような印象を受けるぞ」  剣星の白袴の着付けを引き受けた拳志郎が言う。  「俺が果たして松坂家の主宰を務められるんだろうか…」  「つとまるわよ、あの伊達政宗でも後を継いだのは18歳よ。20歳と2年猶予があったじゃない」  ユリアが切り返す。高辻征太郎下院議員(松坂征四郎の長男だが、高辻家の継承者になった)が力強く言い切る。  「我ら松坂一族は本家別家を問わず、優れた者を次世代の主宰に選ぶ。大丈夫だ」  「血の重み…。伝統…。そして正義への信念と弱者を守る蛮勇の精神…。俺はじいちゃんにはまだまだ追いついていない…」  「大丈夫よ、その足りないモノは私達が支えるよ」  ヨナが剣星に言う。剣星にとって今のヨナの言葉は何よりも支えになっている。  「そうか…。行きましょう、襲名の広間へ…」  剣星の前に杯が差し出される。  主宰代行である征太郎の司会で襲名の儀は粛々と進んでいる。厳しい声で征太郎は剣星に問いかける。  「それでは、松坂剣志郎光広として、松坂家の主宰を引き受ける覚悟を申し伝えよ」  「ハハッ!」  プレッシャーに震えていた剣星は手元に伏せていた書面を取り出す。  「このたび、松坂家本家を名実共に引き継ぐことになりました。祖父征四郎の覚悟を継ぐものとして、この場に集いし者達の期待に恥じぬよう、全身全霊で松坂家を発展させることを誓います。本日はありがとうございました」  「その覚悟、受け止めよう。それでは宮沢殿」  征太郎の声に立ち上がった坊主頭の男が剣星の前に置かれた杯に軽く酒を注ぐ。  「この杯を受けて初めて、松坂家の主宰として承認いたします。なお、私、灘神影流活殺術第15代目宮沢熹一が毒味をつとめさせていただきます」  そういうと彼は杯を軽く傾けて毒味をつとめる。  「それでは、杯を!」  剣星は静かに杯に手を伸ばすと静かに酒を飲み干す。その瞬間、一同拍手がおこる。名実共に剣星は松坂家の主宰として認められた証拠だった。  「それでは、会食の場へどうぞ」  「大役、お疲れ様でした」  「ワシは慣れているんよ。希龍叔父や尊鷹叔父から散々仕込まれたからな、和香」  黒袴の上着を妻の和香に預けると熹一は目を閉じる。  彼は養父の宮沢静虎から受け継いだ灘神影流で総合格闘技の世界に乗り込んでおり、日本屈指の格闘家と言われている。その姿はストイックで物静かな印象すら受け、短髪である。名格闘家と謳われた希龍、尊鷹から修業を受け、総合格闘技のワールドカップと言われる大会『ワールドバトル』アメリカ大会のジュニア部門で世界一になった男である。  「あなたに似ていますよ、剣星くんは」  「ああ…。同感やな、真面目やし、ワシよりストイックや。堅実な性格やし、地域の活動に積極的に出ているんや。その上頭もええんやからワシより上やな。嫉妬してしまいそうや」  「久々だな、熹一君」  「高野先生!オトンがお世話になっています」  「それは私の方だ。銀行員の能力があるから、私の政策形成に大きくプラスになっている。私にないものを静虎さんは持っている」  静虎は灘神影流活殺術第14代目にして銀行員という変わり者だ。徹底したヒューマニストであり、広志が過去テッカマンアトランティスとして戦った時の苦悩や悲しみを分かち合う度量の大きさや礼儀の正しさは広志の人格にも影響を与えている。  「それにこの前希龍叔父が川崎シチズンオーケストラと共演した際に協力していただいたことも感謝します」  「あの人は格闘家にしても優れているが、芸術家でもある。ただ、ニーチェの影響が大きすぎるが人にまで害を及ばすまい」  「高野先生はホンマに度量が大きすぎます」  「そんなことはない。尊鷹叔父君は厄介事ばかり引き受けて大変だっただろう」  広志は穏やかな笑顔を浮かべる。ちなみに熹一の祖父で尊鷹(プロの格闘家で現在は道場経営)、希龍(洋画家にしてピアニスト)、由美子(東京で整体院を経営している)、静虎の父親にして灘神影流活殺術13代目当主の宮沢金時は未だに健在である。  「何という品の良さ…」  会場に入った一同は驚き入っている。  何から何まで手が抜かれていない、しかも演出も上手だ。  「霞先生、これはあの天道総司ならあり得ますね…」  「ああ…。何一つ手が抜かれていない。しかし、ジャギ兄さんのいうコートは…」  「そのコートだが、俺がゼーラから持ち帰った」  そういって作務衣姿の男が現れる。広志はすぐに見抜いた。  「天道、しっかり手は抜いていないな」  「ああ、恥ずかしい真似は俺が嫌なのでな」  「相変わらずの口調だな。もっとも私はベル兄弟から聞いているので慣れているがね」  剣星は真ん中の席に移る。そして一人一人に酒を注いで回る。その中で広志に天道はこっそりと耳打ちする。  「ジャギはあんたにもメッセージを伝えるよう俺に頼んだ。『あんたはこの国に対して、大統領としてあんたができることをしてくれ。俺はゼーラで出来ることをする』ということだ」  「分かった、その言葉はしかと受け止めよう。彼からのものは…」  「最後に俺がジャギからのメッセージと同時に渡す。それでいいか」  「ああ…。儀式を崩さない程度でな…」    儀式の最後に…。  「これは…!!」  戸惑う剣星に天道はコートを羽織らせる。  「すごい上品なコートだが、誰が…。姉貴…」  「正義…、私だって分からないわよ…」  拳志郎は懐かしそうに眺める。  「今は亡き我が父、ジュウケンの忘れ形見で、ジャギ兄さんに託されたものだ。そうか…」  「ジャギは承知のように、ゼーラ国王一家の禁断の間にて仕えている為、外出は厳しく禁じられている。そのため、俺がメッセージを伝えることになったわけだ」  「そういうことだったのですか…」  「いみじくもおばあちゃんが話していた、『嫉妬に駆られる者は未熟な柿と同じで食べられない』とな…。ジャギも同じようなことを言っていた、『愚者の妄想ほど始末に負えない者はない』とな。それと、あんたにメッセージがある」  拳志郎に天道は話し込む。  「どういうことだ…」  「ジャギは『俺はゼーラで子供達を守る戦いをする、お前はジャーナリズムで人々を守れ』と言っていた」  「分かった…。連絡は取りにくくなったが、安心した…」  4  オーブは神戸…。  埋め立て地にその政党の本部はあった。エリート移民の優先受け入れ政策に不満を覚えた既存の移民達が立ち上げた政党、ブルーコスモスである。シュバルツ・ブルーダー副代表が聞く。  「ドモン、ゼーラ支部の方はどうだ」  「うまくはいっています。しかし、俺は不安ですよ…。待遇改善の為になんであんなスポンサーをつけるんですか」  戸惑いの表情で話すのはドモン・カッシュである。彼は大学卒業後5年間派遣社員の仕事に就いていたが正社員になれない仕組みに不満を覚えていた。ジョルジュ・ド・サンドは穏やかな口調で話す。彼は園芸農家の不満の代弁者である。  「私もドルセンマーケットがスポンサーになる際には反対した。急進的な改革では支持者は得られない」  「選挙では組織選挙で勝てると豪語しているけど、実際は無理だぜ。スポーツフェスティバルでの広報活動は白眼の中だぜ」  「チボデーもか…」  チボデー・クロケット(アメリカからの移民で、アメリカンフットボールの選手でもある)にアルゴ・ガルスキー(ロシアからの移民でボクシングをしている)がつぶやく。キョウジ・カッシュ(ドモンの兄)が困った表情で話す。何しろ雰囲気は重苦しい。  「俺達は石川代表に諦めないで改革を迫ろう。だが、石川代表が資金を集めているのだから発言権はない…」  「やるしかないでしょ、僕らは」  「そうだな、まず我々の出来ることをして、そこから発言権をつかむだけだ」  サイ・サイシーとマスター・アジアがいう。二人とも中華連邦からの移民で、武道家として認められているのだ。今年念願の内科医になったドモンの幼なじみのレイン・ミカムラが頷く。  「アレンビーもこのままでは苦悩する。穏健派なのに強硬派の政策を作らされているんだから」  アレンビー・ビアズリーはスウェーデンからの移民であり、穏健派で知られている。だが石川代表の強硬政策に調合した政策を作らされている毎日だ。  「桑田広東共和国顧問がここにいたらいいのに…」  桑田とはあの桑田福助であり、今は広東共和国顧問を務めており、広東の民主化や日本連合共和国との協調体制の確立に苦心している。高野広志の次世代を担う大統領候補として注目を集めていた。ドモンはその桑田のファンなのだ。しかも、アジア戦争の際にはゼーラをテロリストの魔の牙から守り抜いた実績もある。  「次回の選挙にあの杉山泰蔵を立候補させようって動きにはおかしいよ、それに別の候補者まで擁立しようと暗躍するんだから」  「それを石川代表の前で言うな。分かったな」  今まで石川の前で苦言を呈した者は追放された上、冤罪を押しつけられるなどの苦しみが待っているのだ。ブルーコスモスに一度入ればあり地獄のような世界が待っていたのだ…。しかも、最近スポンサーに加わったサークル銀行の大株主の市民団体・イルミナティは実態不明なのに資金が途絶えない得体の知れなさが待っていた。  「そうか…。大統領就任が早まりそうなんだね…」  「ああ…。高野次期大統領は3年後に就任の意向だったんだけど、シュナイゼル大統領が2年後にしたいという事なんやって」  剣星からの電話だ。トミー・カールセンは厳しい表情で話す。  「僕らの方だけど、どうもぶつかっているんだ。自殺した人の債権者がマーシャルクレジットって闇金融の会社だったじゃない、それがいきなりドルセンマーケットクレジットに債権が買い取られたんだ。そのドルセンなんだけど、神戸に本店を持つサークル銀行から融資を受けているの知ってる?」  「サークル銀行?わからへん。共同銀行の一種なのか?」  「僕も分からないんだ。シャナナも動いてくれているけど、ディスクロージャー冊子もない、ホームページもない、全く得体が知れないんだ」  「怪しいな…。よし、こっちも調べるけど無理はせえへんようにな」  「ああ…。ちょっと待ってくれない?」  受話器で何かごちゃごちゃと音がしたかと思うと明るい声に変わった。  「おめでとう、剣星!松坂家主宰になれて!」  「シャナナか、分かったよ。ヨナに代わろうか?」  「もう少し話させて。今度川越にいったら、南米の小物を持ってくるよ」  「まあ、どんなのかは分からへんが、待ってるで。ヨナ、シャナナから」  剣星に促されてヨナはシャナナと話を始める。この二人は親友でもある。剣星は鼻歌交じりで隣の部屋に入ると、食事の準備を始めた。7人の家族がそこにはいた。すでに剣星は同居人でもある秋山三冬と大半は作っていたので後は配膳するだけだ。  「すみません…」  「俺、話を聞いて許せなくなったんですよ、ドルセンマーケットのやり方も、あなたの元夫の冷酷さも…」  「あいつ、ざけんなよ!」  「おいおい、落ち着けよ。俺もヨナも許さない気持ちは強いよ」  憤る少女に剣星はなだめる。彼女は今井茜という。実はこの今井家は複雑な家族構成で、一家の大黒柱の夫の大介は健一・里香・浩、妻の春子には茜がいた。春子は前の夫の中西のDVに耐えかねて茜と一緒に離婚し、大介と再婚して真理をもうけた。だが、中西は茜を奪われたことを憎んでいた。そこで、大介のリストラに目をつけてマイホームを手に入れたばかりの大介の債権を銀行から買い取って一家ごと自己破産に追いやったのだった。  剣星に助けを求めたのは茜の彼氏である紺野翼だった。剣星とはテニスクラブで知り合っており、この事を剣星に話したことがきっかけで剣星は今井家の支援をして、裁判で自己破産の判決を出した後で一家を松坂家のビルの3階に無償で住まわせていた。ちなみに双子の弟の新田一也は里香の彼氏でもある。  「しかし、君の料理はうまいね」  「大介さん、再就職先なんですけど、高野先生に頼んでおきました。たぶん江戸前銚子ホールディングスの東京本部になりそうです」  「そこか…。ライバル企業だけど、仕方ないな…」  「ええ、一応顧問があなたの前所属先に挨拶に行くそうです」  「幼児教育塾を開設していいの?」  「いいですよ、俺はやるべきだと思っています。ただ、エリートになることを目的とするのではなく、どう生きるかの将来への道しるべを示す為の幼児教育なんだって思ってます。その趣旨があるなら軌道に乗るまではテナント料は結構ですから」  友恵(大介の母)がうなづく。  「一応、高校へ通う費用は俺が出す。だから、今は甘えていいんだ」  「剣星さん…」  戸惑う健一。彼は努力家で、いじめられやすかった。その負の影響を受けてすさんでいた。そんな彼に剣道を教えたのが秋山大治郎だった。その大治郎は浩に聞く。  「剣道はどうだ?」  「楽しいっすよ。今度剣星さんと試合したいんですけど」  「俺?負けるのが落ちや。最近オーケストラの指導や授業で精一杯や」  「優等生過ぎ」  剣星に突っ込むのは里香。茜とはやや仲は良くないのだが、家族の中では勉強が出来る。他の家族と違い、剣星をいじくれる。ちなみにヨナのファンでもある。ヨナが部屋に入ってくる。  「ゴメンね、今終わったよ」  「みんな、そろったようだな。秋山さん、じゃあお願いします」  「今日から新たな家族を迎え入れた。今後の健康を祈って、乾杯!」  「大治郎さん、かなり過激なガールズトークになっちゃってますよ」  「君も私も入りにくいようだな」  剣星と大治郎は皿を洗っている。茜、三冬、ヨナ、里香はすっかり意気投合して芸能人の結婚ネタで盛り上がっている。里香の笑い声が響く。春子は三冬と苦笑しながら酒を飲む。  「でも、まさかMINORUとHIROKOが結婚するなんてびっくりよ」  「誰なんだ?」  「Boy&Girlの吉永寛子ですよ。同級生でメンバーの浦川実と結婚していて、長女を生んだ話じゃないですか」  「浦川実か。彼は確かベースだったな」  「俺の知り合いで彼にあこがれてベースをやっているオーケストラの一員がいます」  「早乙女くんか」    剣星の同級生の早乙女健太郎は通信制大学で経済学を学びながら実家のバンドハウスの手伝いをしている。ベース担当だがオーケストラでは打楽器のリーダーでバンドハウスでもオーケストラ教室を開いている。剣星もたまに応援に入るほどだ。  「東と私は知り合いだが、東はあまり目立ちたがらないことを望んでいるんだ」  東隆和はBoy&Girlでキーボードを担当する。作曲を担当しており、最近ではプロデューサーとしても活躍している。妻の初美とは相変わらずの静かな熱々生活である。岡部愛はボーカルトレーニング留学を経て2年前に復帰し、ソロでも活躍している。  「随分盛り上がっているな」  「聞こえていたの?」  ヨナが恥ずかしそうに聞く。  「分かるさ。邪魔なんかしないさ」  「剣星さんも来て話そうよ」  「ちょっと勘弁しろよ、俺はこれが終わったら大学の宿題が山ほど残っているんだから」  里香の誘いを断ると剣星は皿を拭く作業に入る。  「東は今のままの関係を続けることを望んでいるさ。解散の噂があるようだが」  「おそらくありえないでしょう。三人とも、東さんを信頼している。でなかったら、ステージで縁の下の力持ちのような東さんを必ず最後にもり立てるような演奏はしませんよ。それに、バースデーに東さんへの感謝を込めた曲を歌わないわけがない」  「それに東はMINORUの俳優としての実力を認めている。最近では時代劇にも出るようになって、腕を上げてきている」  「時代劇というのは意外と奥深くて、茶道であるとか、歌舞伎の動きであるとか、剣道の動きなど様々なことが要求されますからね」  「HIROKOも最近では舞台女優としての活躍が目立ってきているようだな」  「アドリブが要求されるじゃないですか。あれも大変ですよ」  「君といるとちっとも飽きない。面白いものだ」    そして、南米・ザルティワ…。  世界最悪の独裁国家といわれ、反対派市民はアメリカや日本連合共和国に亡命している。そのザルティワのサンアントニオ空軍基地に二人の無頼漢がニヤリと立っていた。  「竜島、お前の任された広東の残党どもの育成はどうだ」  「うまくいっているさ。あのお方には頭が上がらない」  「確かに…」  葉巻を蓄えているのはシチリアマフィア出身で、ユーロからの指名手配を逃れてザルティワに逃げ込んだドン・ロメロである。  「あのキング・オマハが大統領になるほど世界は急激に変化している。だが、このザルティワはあくまでもこの体制を維持しておかないといけない」  「ギャンブルにはうってつけ、カジノの暴利は俺達が山分けだ」  「ガッハッハッハ…」  そこへ現れた男。  「お二方には大いに頑張ってもらわねばなりませんね」  「イルミナティの使者か」  謎の組織イルミナティとなぜ彼らはつながっているのだろうか…。    作者 後書き  今回は日本国内と世界を組み合わせて書かせていただきました。  我が盟友には「原案にこだわらず、どんどん手を加えて困惑させてくれ」と檄を飛ばしています。そうでもしないと、いいものは書けないんですね。 著作権者 明示 『MR.BRAIN』 (C) TBSテレビ 脚本・ 蒔田光治、森下佳子、福澤克雄、平川雄一朗、山室大輔 2009 『TOUGH』 (C)猿渡哲也・集英社 2003-2012 『極悪ノ華 北斗の拳ジャギ外伝』(C)原案・武論尊・原哲夫、作画・ヒロモト森一・NSP 2009 キッズ・ウォー (C) 脚本:畑嶺明 1999-2003 『機動武闘伝Gガンダム』 (C)サンライズ 1994-1995 「魔境のシャナナ」 (C)山本弘・玉腰博幸・NSP 2009-2010 ノエルの気持ち (C)山花 典之・集英社 2007-2010 「ギャンブルフィッシュ」  (C)青山広美原作・山根和俊漫画・秋田書店 2007-2010 「剣客商売」 (C)池波正太郎 1972-1989 蒼天の拳 (C)武論尊・原哲夫・NSP 2001-2010 『ゴッドハンド輝』 (C)構成、監修:天碕莞爾 作画・山本航暉 2001-2011 仮面ライダーカブト (C)原作:石ノ森章太郎、脚本:米村正二 他、監督:石田秀範 他 東映・ADK 2006-2007 新機動戦記ガンダムW (C) 監督:池田成・高松信司(代行/クレジットなし)、シリーズ構成:隅沢克之、キャラクターデザイン:村瀬修功、メカニックデザイン:大河原邦男、カトキハジメ、石垣純哉  サンライズ 1995-1996 内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎 (C)原作・原案:北芝健、作画:渡辺保裕、NSP 2003-2007 スーパーマン (C) DCコミック 1938 原作:ジェリー・シーゲル、作画:ジョー・シャスター ハートでDanDan (C)浅倉まり・朝日中学生ウィークリー 1991-1992 ふたりはプリキュア・ふたりはプリキュア Max Heart (C)原作:東堂いづみ、シリーズディレクター:西尾大介、シリーズ構成:川崎良、キャラクターデザイン:稲上晃 ADK、東映アニメーション 2004-2006 F-ZERO (C)任天堂 1990 AKB49-恋愛禁止条例- (C)原作・原案など:元麻布ファクトリー、作画:宮島礼吏 2010-